ニューノーマル時代のパンフレットの作り方

ニューノーマル時代のパンフレットの作り方

これからの時代に求められるパンフレットってどんなものだろう。

会社案内パンフレット・強み紹介ページ
   
さて、時代はコロナ禍を経てニューノーマルになりつつあります。
 
さまざまなニーズの変化、消費者の行動変容が見られる中、ニューノーマル時代に求められるパンフレットについて考えてみます。
 
考えるべき点は2つ。
 
1)お客様との接点はリアルよりもオンラインが増える
2)接触回数が減るなかで、より目的達成の成果が求められる
 
まず1)お客様との接点はリアルよりもオンラインが増える、ですが、
これはアフターコロナ以降どの業界でも顕著になっている傾向ですね。
特に当社のようなデザイン業界、さらにパンフレットが強いグラフィックデザイン業界において紙媒体は非常に厳しくなっています。
 
そのなかで2)接触回数が減るなかで、より目的達成の成果が求められる。は当然です。
 
弊社への問合せでも特に、売上減少がひどく、売上を揚げたいという「売上貢献」への目的が顕著に増えています。
 
これまでは単純に「会社案内パンフレットを作らないと」「採用パンフレットの時期だから作成しないと」というルーティーンの制作が多かったですが、採用の目的と効果をシビアに要求されるケースが増えてくると考えられます。
 

JBの会社案内パンフレット(企画案)を参考に。
パンフレットの作り方を考える。


 
上記はJAZYブランディングの新しい会社案内パンフレットの企画案の一部です。
実際にこちらを参考に、どのような意図でパンフレットを作成したのか、ご説明してまいります。
 

目的は営業活動で使いたい。そのためのパンフレット?

 
さて、パンフレットを作るときに、まずはじめに考えなければいけないのが「目的」です。
これってわかったようでいて実は多くの方がカル〜く受け流してしまっています。
 
今回のJBでのパンフレット制作の目的は「営業」です。
つまりカタチ上は、営業目的のパンフレット、いわゆるサービス案内的なものを作ればOKということになります。
 
パンフレットはおおよそページ構成(ページの流れ、起承転結のこと。)が決まっているので、サービス案内がほしいと言われればカタチにはできてしまいます。
 
しかし、これでは本質的な問題解決にはなっていないんです。
 

目的を深堀りし、因数分解する。

 
では、本質的な問題解決ってなんでしょう。
 
要は表面的な目的の、その先を深堀りしていくことです。
JBのサービスパンフレットでいくと次のような深堀りです。
 

 
なんだが随分掘った感じがしますよね?
 
営業で「効果的に使える」パンフレットにするためには、
現在の原因がどこにあって、
それをどう解決するべきなのか、
という因数分解が必要で、「根本の原因」が出てくるまで掘らないといけないのです。
 
さて、ここまで掘ると、どんな「仕掛け」をパンフレットに盛り込めば良いか。
企画の話ができます。
 

さて、原因解決にどんな仕掛けをしよう。つまり企画の話。

 
企画に盛り込まなければならないポイントをもう一度整理すると・・・
 
1)無駄話ができるようになる仕掛け
2)特長を魅力的に話せるようになる仕掛け
3)最後のひと押しができような仕掛け

これらをリアルでもオンライン上でも仕掛けられたら目的達成ということですね。
 
やれやれ、まあまあ考えなければいけないですね。
 

予測! 2020年以降、パンフレットは横型が一般的になる!

 
とりあえず1つ1ついきましょう。
まず簡単そうなところからいきましょう。
「リアルでもオンラインでも使えるパンフレット」という点。
 
これは単純にA4横型のパンフレットで対応しましょう。
 
今後は印刷とPDF納品が当たり前になります。
オンラインのPDFで説明しやすいよう、A4横型パンフレットの1ページごとに、1テーマ(1つの言いたいこと)を掲載する形式になっていくと思います。
これまでのパンフレットのように左右両面にデザインが続くようなものは厳しいです。
  
非常にパワポに近いイメージになりますが、パワポよりも質を高めたり、パワポにはない仕掛けを入れることでパンフレットの優位性を高めていくことが重要になります。
 
今後のパンフレットのカタチは横型。
まずこれを意識しましょう。

伝えたいことを極端に絞る。人が説明することを前提にする。

 
さて、次に「特長を魅力的に話せるようになる仕掛け」です。
 
JBのパンフレットでは営業マンの話術を上げるのではなく、最低限伝えたい点を「極端に」絞ることにしました。
絞ることで、お客様に1つだけでも覚えて帰っていただくという考えです。
 
芸人さんの「名前だけでも覚えてください」的な考えですね(笑)。
 
これからのパンフレットが求められるのは「効果」。
そのためにはとにかく伝えたいことを一言で伝えることが重要。
 
実際にパンフレットを使っている場面を考えてみてください。
実はパンフレットってほぼ「人」が手にとって説明していませんか?
郵送等で送る場面もあると思いますが、きちんと読む人はいないですし、そもそも読むことを期待して送る人はいないのではないでしょうか。
 
だから最低限覚えてもらうポイントだけをデザインする。
これからのパンフレットはこの点が非常に重要になります。

会話を広げる「仕掛け」を

 
つぎに「無駄話ができるようになる仕掛け」です。
 
そもそも会話って難しいですよね。
初対面のお客様とあって変なことを話せないですし。
 
営業的な側面からいうと、けっこうこの「コミュニケーション」を課題にしているクライアントが多く、解決できないか相談を受けるケースが多々あります。
 
そんなときにパンフレットができることは「無駄話になるキッカケ」をパンフレット自体に仕掛けておくことです。
 
たとえば弊社のパンフレットですが、
JAZYブランディングという名前がまず覚えてもらえないんです。
本当は「じぇいじー」なんですが、80%のかたが「じゃじー」。
1年位付き合っているお客様でもいまだに「じゃじー」。
気を使って社名を呼ばないかたもいらっしゃいます(笑)。
 
はじめは「ウチはブランディング会社なのに、なんて名前なんだ・・・」と落ち込んだものです。
(実はもとは違う会社なのですが、企業を買い取って現在の社名をつかっているのすが)
 
しかしちょっと待って。
よく考えたらこれって実は「おいしい」のです。
お客様にはほぼ笑っていただけるし、会社の由来(買収した歴史)なんかも一緒に話せたり。
 
こういうネタって会社に結構あるはずです。
 
またパンフレットの表紙に「社長」のイラストを入れたのも「話題のきっかけ」づくり。
社長の悪口なんかを交えつつ、ウチの社長はどこ出身で何をやろうとしていて・・・なんてことも話せます。
 

受注につなげる=信頼の獲得をどう仕掛けるか

 
さて、最後に「ひと押しができような仕掛け」です。
 
これは難しいです。
でも何かしら仕掛けることで受注につなげるように工夫することが大事ですね。
 
さて、弊社では
ヒアリングシートを「切り取れるように」最終ページに入れています。
 
ヒアリングシートは本来弊社が使うものなので、お客様には関係がありません。
 
関係がないものをどうして? と思いますが、
これは「話題作り」の側面が1つ。
もう1つは「信頼の獲得」です。
 
弊社では営業の根本に「信頼の獲得」があると考えています。
お客様によっては他のポイントをあげるかたもいらっしゃると思いますが、弊社では「信頼の獲得」。
これを達成するのは本来時間やコミュニケーションですが、仕事上の信頼獲得は「仕事ができること」という要素だけで構築できることがあります。
 
人は失敗したくない生き物で、仕事上では頼りにしたい人を探しています。
飲んでいて楽しいというプライベートはその次だったりします。
 
そこで弊社ではできる人(会社)の演出という仕掛けを用意しました。
ヒアリングシートを目の前で切り取ることで、「面白いパンフレットだね」という話題作りと、この会社は「ヒアリングする体制を構築しているんだ」という信頼感です。
 
だから本来見せないヒアリングシートを見せることにしています。
 
なんていやらしい・・・
そう感じるかたも多々いらっしゃると思いますが、弊社はすべては戦略上にあるツールという意識でパンフレットを作成しています。

まとめ。面白いパンフレットを作ろう

 
さて、長い文章を読んでいただき、本当にありがとうございます。
 
ここまでの話をまとめると、
 
1)これからのパンフレットはオンラインでも使えるよう「A4横型」が基本になる
2)パンフレット作成の目的を掘り下げる
3)パンフレット作成には目的を達成するための「戦略・仕掛け」が重要
 
この3点です。
 
このうち難しいのは「目的の掘り下げ」だと思います。
本質的な課題が何かというのは非常に難しく、パンフレットでは解決できないケースもしばしばです。
 
しかしパンフレットは自分たちの課題を見つけ、それを解決する戦略を考える、というだけでも非常に重要です。むしろそこにこそ価値があるのではないかと思います。
 
もう1点。
パンフレットは戦略です。
仕掛けを用意し、それを前線で使ってもらう。
 
これはとてもワクワクする行為です。
お客様に喜んでもらうものを作ること。
デザイン制作に大切なこの気持を持つことが「戦略」や「企画」には大切です。
 
ぜひこんなパンフレットがあったら楽しいだろうなというものがあればチャレンジしてください。
私たちもそんなパンフレットを見かけたら、悔しい気持ちと尊敬とが入り乱れた複雑な気持ちをもって、制作会社として楽しませていただきます!

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