海外で「パンフレット」という単語が通じない!? そのワケとは

このコラムを読まれている皆さまの中には、海外で開催される企業の展示会や見本市において、情報収集や商談をする機会があるという方もおられると思います。

そうした展示会などに関連して、こんな話を筆者は耳にしたことがあります。
アメリカの展示会でパンフレットをもらおうと、ブースにいた担当者に声を掛けたところ、パンフレットが目の前にあるにもかかわらず、「パンフレットはありません」と言われたそうです。

実は、担当者がこのような対応をしたのも、「パンフレット」の定義が日本と欧米とでは違うからです。

そこで今回は、英語で「パンフレット」のことを何と言うのかについて中心に、ご紹介したいと思います。

日本人が「パンフレット」と言っているものに最も近い英語は「brochure」

結論から先にいいますと、日本人が普段「パンフレット」と言っているものにニュアンスが一番近いとされる英語は、「brochure」という語です。あえて片仮名で表記すれば、「ブローシュアー」となるでしょうか。

ここで、「brochure」の意味について、ネイティブが使う国語辞典ともいうべき英英辞典(英単語の意味を英語で説明している辞書)では、どのように説明されているのか見てみましょう。

A small book or magazine containing pictures and information about a product or service. 〔Oxford Dictionaries〕

(商品・サービスに関する情報や写真を収載した小冊子類。)

別のオンライン辞書でも確認しておきましょう。

A brochure is a magazine or thin book with pictures that gives you information about a product or service. 〔Collins〕

(商品・サービスに関する情報を提供する、写真入りの薄い冊子類。)

一方、「pamphlet」の意味は、どのように説明されているのでしょうか? これについても、2つの辞書で見てみましょう。

A small booklet or leaflet containing information or arguments about a single subject. 〔Oxford Dictionaries〕

(1つの対象に関する情報やポイントを収載した小冊子またはリーフレット。)

A pamphlet is a very thin book, with a paper cover, which gives information about something. 〔Collins〕

(何らかの情報を提供し、紙表紙が付いた、非常に薄い冊子。)

会社案内、旅行パンフレットは「brochure」

前項でご紹介したことを踏まえて、「brochure」について使い方をまとめますと、次のようになります。

「brochure」は、商品やサービスを宣伝するパンフレット、会社案内や学校案内、旅行ツアーのパンフレットなどに使われます。複数ページであるか、折り畳めるようになっています。また、カラーで印刷され、上質な紙を使用していることが多いようです。

例えば、海外の展示会において、出展企業の担当者に対してパンフレットの有無を尋ねるというようなシーンでは、通常「brochure」を使います。実際、海外に出展したことのある、日系企業の担当者の話によると、パンフレットを所望する来場者は、「brochureはありますか?」と聞いてくることが多いそうです。

なお、「brochure」は、フランス語が語源であり、そのまま英語になったものです。

案内書、解説書を表すのは「pamphlet」

一方、「pamphlet」は、欧米では、商品やサービスの宣伝というよりも、特定の事項について詳しく解説した小冊子を指す場合に使われることが多いようです。例えば、「○△の手引き」のような案内書やマニュアル、特定の問題についての質疑応答集、保険会社の業務内容全体についての解説書のようなものです。日本人が日常的に単語として使っている「パンフレット」とは、多少ニュアンスが異なります。

なお、ユネスコ(UNESCO)では、「パンフレット」「pamphlet」を、“表紙を除き、5~48ページの印刷された非定期刊行物”と定義しており、リーフレット、図書、逐次刊行物(号数を重ねて刊行される出版物。例えば、新聞、雑誌、年報)などとは区別しています。

 
 
いかがでしたか?

日本で一般的に使われている外来語が、その語源となる外国語とニュアンスが違う、ということはよくあります。今回ご紹介しました「パンフレット」も、その一例でしょう。

日本人が日常的に使っている「パンフレット」という語に最も近いニュアンスを持つ英語は、「brochure」です。今回は、英語の「pamphlet」と「brochure」についてご紹介しましたが、その意味や使い方などを知っておいて損はありません。
このコラムを通じ、知識として理解され、それを活用していただけたとしたら、望外の喜びです。