パンフレットの面白い知識
貴社のパンフレットは大丈夫? 景品表示法違反となる表示とは
自社の商品・サービスを説明するパンフレットや、販売促進のためのチラシなどは、その表示や表現が消費者に与える影響が大きいとされています。
商品・サービスの良さをアピールしたいがあまりに、他社のパンフレットや雑誌の記事などの内容を十分に確認しないで合理的な根拠なしに流用したり、消費者をあおるような表示を行ったりすると、景品表示法に触れる可能性があります。
このため、パンフレットは、適正な内容で作成する必要があります。
今回は、パンフレットを作成するうえで、ぜひ知っておきたい景品表示法について、事例を交え、ご説明したいと思います。
景品表示法とは?
商品・サービスの品質や価格について、実際のものよりも著しく良く見せかけたり、著しく安く見せかけたりする表示が行われると、消費者が実際には質の良くない商品・サービスを選択してしまい、利益が損なわれる可能性があります。
そこで、わが国では、景品表示法を定めることにより、消費者を誤認させる不当な表示を禁止しています。
なお、景品表示法の対象となる「表示」とは、事業者が消費者に対して商品・サービスの内容や取引条件について行う広告などの表示をいいます。具体的には、次のものによる表示をいいます。
・パンフレットや説明書、カタログ、チラシ、ダイレクトメール
・ポスターや看板
・新聞や雑誌に掲載された広告
・テレビCM
・ウェブサイト
など
不当表示の種類と事例
不当表示の種類は、次のように、大きく分けて3つあります。
● 優良誤認表示
商品・サービスの品質や内容などについて、実際のものよりも著しく優良であると消費者に示す表示です。
<事例>
・分譲マンションのパンフレットに、あたかも、対象物件のすべての開口部の角にひび割れ防止用補強筋などが施工されているかのように表示。
しかし実際は、対象物件のすべての開口部の角にひび割れ防止用補強筋などが施工されているものではなく、ひび割れ防止用補強筋などが施工されていた開口部の割合は、物件ごとに、全体の25~60%であった。
・大学受験予備校のパンフレット(講座案内)に「2017年度大学合格実績 東京大学43名、京都大学33名」などと記載することにより、あたかも、記載された人数の受講生が、記載された大学に合格したかのように表示。
しかし、実際の合格者数は、東京大学15名、京都大学1名など、記載された人数を下回るものであった。
● 有利誤認表示
価格や取引条件などについて、実際のものよりも著しく有利であると消費者に誤認させる表示です。
<事例>
レンタル着物サービスのカタログに、あたかも、「レンタルセット価格」として記載された金額を支払うことによって写真と同等のコーディネートによるセット商品がレンタルできるかのように表示。
しかし実際は、写真と同等のコーディネートによるセット商品をレンタルするためには、「レンタルセット価格」として記載された金額のほかに、相当程度の費用が必要であった。
● その他誤認されるおそれのある表示
上述した優良誤認表示、有利誤認表示のほかに、特定の商品・サービスについて、消費者に誤認されるおそれがある不当表示として、以下の6つが指定されています。
・無果汁の清涼飲料水等についての表示
・商品の原産国に関する不当な表示
・消費者信用の融資費用に関する不当な表示
・不動産のおとり広告に関する表示
・おとり広告に関する表示
・有料老人ホームに関する不当な表示
<事例>
・おとり広告に関する表示
スーパーのチラシに「愛知県三河一色産 うなぎ蒲焼」などと表示。
しかし実際は、愛知県西尾市一色町産のうなぎを仕入れておらず、対象商品の全部について取引に応じることができないものであった。
・有料老人ホームに関する不当な表示
有料老人ホームのパンフレットに「介護は、職員が365日24時間体制で対応しています」などと表示。
しかし、職員の人数や夜間勤務体制などについて明瞭に記載されていなかった。
景品表示法に違反すると
景品表示法の違反行為があったときは、次の措置がなされます。
● 消費者庁による違反行為の排除措置
消費者庁から、消費者に与えた誤認を排除すること、その行為の差止め、再発防止のために必要な事項などが命ぜられます(これを「措置命令」といいます。)。措置命令を行った際は、その内容が公表されます。
● 課徴金納付命令
不当表示(優良誤認表示または有利誤認表示)を行った事業者は、課徴金(対象行為に関する商品またはサービスの売上額に3%を乗じた額)の納付が命ぜられます。
● 都道府県による違反行為の排除措置
景品表示法は、各都道府県においても運用されています。違反が認められると、表示の改善などの措置命令や指導が行われます。
パンフレットの作成にあたっては、コンプライアンスを意識するようにし、表示内容について自主的にチェックすることが重要です。必要に応じて、法務関連部署や顧問弁護士、外部の専門家などと連携し、正しい情報を分かりやすく消費者に伝えることを心がけたいものです。
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