埼玉の自動車学校「ファインモータースクール」様のブランディングをさせていただきました。
　
関東圏の自動車学校はコロナ禍で業績が上昇傾向にあるようです。
これは免許合宿で県を跨いだ移動ができないため。県内の自動車学校に通う生徒が増えているようです。
　
ファインモータースクール様も業績は好調とのこと。
しかしながら経営陣は好業績を一過性のものと捉え、アフターコロナを見据えて古くなった校舎のリノベーションをはじめ、改めてブランド構築への投資を検討。
コンセプト設計から再検討をすすめ、強固なブランドづくりを行うことになりました。

　
ブランディングを一言でいうと、競合他社にない強みを明確化したうえで、独自のポジションを模索する「差別化戦略」です。
　
クライアントとヒアリングを繰り返し、事業の強みや考え方の核を探していきます。
　
結果、ファインモータースクール様には楽エコという「エコドライブを取り入れた日本で初めての教習カリキュラム」があることがわかりました。経営陣が掲げる「安全性、地球環境、経済メリット」への強い思いと重ね合わせることで、独自のポジションを設計できると考えました。

　
コンセプトブックは考え方や方針を読み手に伝える媒体。
ですので、読みやすさを重視して、文章量も少なめに。

今回は絵本のようなデザインを制作しようと考え、見開きごとにイラストを入れつつ、余白が十分になるように工夫しました。

　
コンセプトブックにはイラストを使用しました。
　
イラストは高校生〜大学生に人気のあるイラストレーターに依頼。
著名アパレルブランドでの実績もあるイラストレーターに依頼しました。
　　
このイラストはブランドのアイコンとしても活用しようと考えています。
製作中のWebサイトや自動車学校内のポスターはもちろん、プレゼントとして制作した教科書を入れるトートバッグにも使用。
生徒をはじめとするターゲット層に、あらゆる場面で接点を持たせ、このイラストを見るとファインモータースクールと感じていたけるような役割にしています。

　

　
デザインするときは、かならず制作コンセプトを手がかりにします。
制作コンセプトがデザイン展開の中心であり、そのコンセプトに沿ってイメージを膨らませていきます。
　
今回は「大人として少し背伸びした知的好奇心を持つ女性」をコンセプトに設定。
エコドライブから派生する「環境問題」や「安全運転」に関心が高い層がターゲットのため、年齢よりも知的に感じられる女性というコンセプトにしました。
　
デザインも女性的なやさしさを表現しながら、知的で大人っぽいデザインに仕上げています。
またファインモータースクールのロゴマークからのオレンジをコンセプトブックでも使用することで、CI・VI的な統一感あるデザインにしています。

　
パンフレットはブランディングツールの１つですが、ブランディングの最終目標は「独自のポジションを構築すること」にあります。
そしてそのためにはターゲットとの継続的なコミュニケーションが必要です。
特に近年SNSの発展とともに、頻度の高いコミュニケーションが求められています。
　
そこで今回のコンセプトブックでも戦略的な仕掛けを用意。
　
生徒の入学時、コンセプトブックを渡す時に「これから一緒にがんばろう」というメッセージを記載し、卒業時には「おめでとう」のメッセージを書くことにしました。
　
また最終ページには付箋を貼っておき、卒業時にその付箋を剥がして教習所内のアートボードに貼付してもらうことで付箋アートを作ろうという試みを行うことにしました。
さらにその付箋アートを撮影することでSNSへの投稿へとつなげていこうと考えています。
　
パンフレットを単なるツールでなく、コミュニケーション醸成など目的達成のための戦略ツールにする。このような考え方がブランディングには重要だと考えます。

最後に印刷用紙について。
　
ブランディングにとってグラフィック制作物の用紙はとっても重要です。
手にとったときの肌触りの好みによって、ターゲットの印象を変えてしまいます。
　
今回は柔らかく、しっとりした肌触りの高級紙「ヴァンヌーボ」を提案。
海外大手アパレルメーカーでも指定用紙に使っている高級紙です。
　
ターゲットの女性が好む用紙でもあり、用紙選びでも目的やターゲットを意識した選択が重要です。

以上、コンセプトブックの実績紹介として自動車学校様のブランディングを通してご紹介いたしました。ブランディング活動に興味があるお客様は是非お気軽にご相談ください。