東京かつしか赤十字母子医療センターは、東京葛飾区エリアにおける周産期医療の中核病院として、地域に根ざした医療活動をおこなっています。
　
産婦人科と小児科があり、年間平均1,500の分娩件数を誇りますが、これは東京葛飾区の出生数が約3,000ですので、周辺の足立区や松戸市からの出産があるにしても、ほぼ半数が東京かつしか赤十字母子医療センターに通われている計算になります。
まさに地域を代表する病院ですね。
　
その理由としては、
・助産師数が非常に多く、ママ一人当たりの担当助産師が多い
・24時間365日体制
・NICU、GCUといった緊急時の医療体制が整っている
・赤十字というのブランド、信頼感
等があげられます。

そんな病院でも危機感を持っています。
　
最大の理由は少子化にあり、2023年の出生数約72万人、東京の合計特殊出生率が1.0割れの0.99という衝撃的な数字は日本全体の課題としてメディアでも大きく取り上げられています。
　
そのような状況下で、地域のママたちに選ばれ続ける産婦人科であるためにどうすればよいか、病院案内パンフレット作成においても一緒に考えさせていただきました。

病院案内パンフレットを作成するにあたって、ブランド視点とはなにか？
今回のプロジェクトでは、その視点から一緒に考えていきました。
　
東京かつしか赤十字母子医療センターは最近金町に移転を行い、病院が新しくなりました。その際にどのような建物にするか基本的なブランドコンセプトがあり、それをベースにパンフレットを検討しました。
　
病院建設におけるブランドコンセプトは、
・紺、臙脂、深緑、黄土色
を基本配色とした高級感のあるホテルのようなコンセプトですが、
これらをそのままパンフレット等のツールに当てはめるとターゲットである20〜40代の女性には重く感じられそうでした。
　
建築設計のコンセプトとツールとのVI（ビジュアルアイデンティティ）とは別に考えながら、病院を周辺のクリニックと差別化するブランドの方向性を模索しました。
　

今回のパンフレット制作の目的は、
「これからもターゲットであるママたちから選ばれる病院であり続ける」ことであり、「さらに病院での出生数を増やす」ことにありました。
　
病院の特長は他院にはない強みがたくさんあるものの、
分析していくと、大病院であるがゆえの「親しみやすさ不足」が課題感としてあがりました。
　
実際は助産師が非常に多いため、一人の患者様に対するケアが厚く、とても密接なコミュニケーションを取っています。
ですので、大病院でありながらコミュニケーションが手厚いイメージをしっかり届け、親しみやすさ不足のイメージを払拭することをデザインの課題としました。

さらに商圏エリアにある産婦人科医院をピックアップし、各病院のメインカラーやコミュケーションワード、ブランド戦略等を分析。
　
周辺で多く使用されているカラーや各病院がどのような強みを上げているのかを考えながら、当病院で特に強調すべきポイントは何か考え、デザインとコンテンツに落とし込んでいきました。
　

結果、病院パンフレットのメインカラーとしては、周辺医院で使用されておらず、かつターゲットに好印象を持たれる可能性が高い「淡いグリーン」を使用。
　
建設時のブランドで規定したカラーをサブカラーとして使用することで、ブランドを損なうことなく、ターゲットにアピールできるデザインに仕上げることができました。
　

既存のブランド規定と病院パンフレットのブランドルールとの設定はなかなか難しい仕事でした。
しかしコンテンについては正直そこまで苦労することはありませんでした。
　
病院の医療体制の充実度やサービス内容がすばらしく、
ママが出産前後に入院する個室も、病院が新しいのでほぼホテル。
しっかり写真撮影をおこない、設備の内容や実績をきちんとパンフレットに記載していけば、そのまますばらしい病院パンフレットのできあがりです。
　
素材の良い高級お寿司屋さんのような感じでしょうか。
違うか。

病院パンフレット、クリニックパンフレットの制作をお考えなら。
是非100人のデザイナーまでご相談ください。
　
十分なヒアリングをおこない、貴院の特長をしっかり理解いたします。
また競合分析やブランドのポジションを考えながら、貴院に最適な病院パンフレットをご提案いたします。