「監査法人アヴァンティア」さまからのご依頼で「透明性報告書」を制作させていただきました。
透明性報告書とは、大手上場企業等の監査を行う監査法人が、監査品質の確保に向けて組織的な取り組みを行っていることを説明するための資料です。
それは、単なる情報発信ツールではなく、ブランドとしての姿勢を表現する重要なツールだと考えました。

昨年の透明性報告書では、「個」に焦点を当て、一人ひとりの専門家としての価値や多様性を可視化することをコンセプトに、個性を尊重し、各人の専門性を高めることで組織を強くする監査法人であることを伝えるデザインでした。
そして今回のコンセプトは「オーガニックな成長と組織の健全性」。「個」から「組織」へと視点を広げ、オーガニックな成長がもたらす組織全体の健全性と、それが未来へどうつながるのか。そのコンセプトをデザインへどうやって落とし込んでいくかが課題でした。

さまざまなデザイン案を出していく中で、最終的に行き着いたのが、中心から徐々に広がる「螺旋グラフィック」。この螺旋は、フィボナッチ数列に基づき、内側から外へと規則的に広がっていきます。
フィボナッチ数列は自然界に多く見られる調和的なパターンを示すもので、アヴァンティアのオーガニックな成長モデルに共鳴するシンボルとして設定。
無理のない成長を保ちながら、バランス良く積み重なっていく企業の発展を視覚的に表現しています。
また、アヴァンティアの社名の由来は、イタリア語で「前進する」を意味する「Avanti」。
フィボナッチ数列の数学者レオナルド・フィボナッチはイタリア出身という親和性もあり採用となりました。

デザインのベースにはヨーロッパの先進的な美学を意識し、洗練されたデザインで設計していきました。