ブランド構築
“ブランディング”の前に
“ブランド”について理解しよう
ブランドはとても不思議な概念です。中身がまったく同じ商品でも、無名のメーカーと有名なメーカーとでは価格や価値が違うことは多々あります。
ブランドは「信用の証」と定義されることが多いですが、信用を生む正体は何でしょうか。例えば正体が知名度であればTVCMなどで広告を数多くうつことでブランドは手に入ります。それでも手に入らないブランドの正体は長年積みあげてきた「歴史や伝統」や「好感度」「革新性」など複合的な要因といえます。
【ブランドに公式がある?!】
ブランドの公式は「体験>期待値」
ブランドは体験を通して頭に記憶として刷り込まれることで生まれます。一度生まれたブランドは、SNSや口コミを通して他者に「偶像」として伝わるため、必ずしも体験が伴わない場合がありますが、最終的には「体験>期待値」の公式で示すことができます。
期待値よりも実際の経験・体験の質を高める。このブランドの公式への意識が非常に重要です。
【ブランディングの正体】
ブランディングが持つ2つの側面
ブランドが信用の証という定義であれば、ブランディングは信用を獲得するための活動になります。Brandingという言葉に「ing」が入っているように、商品やサービス、会社や個人等に対する継続的な行為により、信用を構築していく活動がブランディングです。
ブランド価値は先述したように複合要因で決まるため、製品の品質向上やコミュニケーション等、大きく5つの範囲について継続的な活動を行うことが必要になります。
そしてブランディングにはもう1つの側面があります。
それはマーケティングに近い行為で、商品やサービス、会社や個人が持つ価値を最大化する活動です。
本来商品やサービスがもっている価値を最大限に引き上げることで、価格競争を勝ち抜く活動といえます。
広告等刹那的にお金を投じて購入する活動ではなく、価値を将来に渡って守り続けるマーケティング活動もブランド構築なのです。
【ブランディングに効果なし?】
ブランディングの限界
ブランディングを行えば必ず売上があがるのか。価値は高まるのか。
良く聞かれる質問ですが、答えはNOです。
その理由は先程の公式「体験>期待」にあります。ブランディングには2つの側面があるといいましたが、ブランディングをマーケティングの側面だけで活動すると「期待値」だけがUPするため、体験よりも期待値が高まってしまいます。そのため結果として本質的なブランディングは失敗してしまいます。
必ず核となる部分=良質な体験の提供を伸ばす活動が必要で、良質な体験を提供できない限りブランディングは失敗します。
それでもブランディングが重要な理由
ブランディングは「良質な体験」の継続的な提供がいちばん大切なポイント。ここを一緒に伸ばすことができるブランディング会社があれば非常に心強いパートナーになります。
ブランディング会社にはデザインを始めとする「見せ方や伝え方の再構築」を得意にする会社もあります。
こういう業者を利用する必要はあるのでしょうか。
答えはYESです。理由は日本の多くの会社が「体験」よりも「期待値」のほうがかなり低い状況にあるからです。質は高いのに口下手な会社が多いということです。
ブランディングの一側面であるデザインやコミュニケーション向上は、いわゆる期待値という価値向上を最大化する活動であり、いまの日本企業にとって不足している部分だと考えています。
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